生まれたばかりの赤ちゃんの脳は、わずか400グラム程度と大人の三分の一もありません。それが3歳頃には大人の80%、5歳頃には1,000グラムを超え6歳頃には大人の90%になります。
脳には140億もの神経細胞がありますが、これらの細胞と細胞を接続する情報ネットワークが緻密であるほど「柔軟」で「応用」できる接続回路を持ち、頭の回転の良さにつながります。
ハイハイから歩けるようになり、いつの間には走り始めます。発言が始まり、言葉を覚え、おしゃべりできるようになります。
できることが飛躍的に増えていくのは、脳が猛スピードで情報ネットワークを構築していくためです。
つまり身体の成長に比べて驚異的な速さで脳が成長していく就学前の時期は、「どのように脳を育てるか」が大切な時期でもあるのです。
当園の育脳は先取り教育をするわけではありません。まずは「知識を得ることの楽しさ」を感じてもらうことを大切にします。そして「考えること」を大切にし、輝かしい未来を引き寄せるための「非認知能力」を育んでいきます。
「非認知能力」とは、経済学や心理学で使われる言葉で、IQや学力テストなど、試験や知能検査などで測定できる認知能力ではないものをいいます。具体的には、自己抑制や気力、社会性や思いやり、自信や忍耐心などのことです。
就学前教育の投資対効果の高さが論じられている、2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン米シカゴ大学教授の著書「幼児教育の経済学」において「非認知能力」の重要性が紹介されています。
ここでは、貧困の家庭に育つアフリカ系アメリカ人の子どもたちをランダムに就学前教育を受けるグループと受けないグループに分け、教育終了後から40歳までの成長状況を追跡調査するというペリー就学前プロジェクトが行われました。調査の結果、40歳での成長状況を比較確認してみると、就学前教育を受けたグループは学歴が高く、平均所得や持ち家率も高く、生活保護受給率や逮捕者率が低いということが分かりました。
この調査で注目すべきことは、IQに関しては就学前教育を受けたグループと受けないグループの差が就学4年後にはほぼ無いことから、将来に大きな差を生み出したのは「非認知能力」によるものであると考えられています。
非認知能力を育むためには、まずは愛情による信頼関係が必要です。愛情と信頼関係の上に育まれる非認知能力は「生きる力」の礎として、就学後の飛躍的な認知能力の成長につなげることができます。
そして子どもが持つ無限大の可能性を、確かな将来性に変化させることができます。